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ポールのアルバム「NEW」収録の「On my way to work」という曲は、ポールが若き日の一時期、運送会社のドライバーの助手をしていたことがあるという事実、そのときにバスで通勤していた思い出を初めて題材にしたものです。 バスの2階に座り、先に降りた乗客が置いて行ったタバコの箱を手にしてみたり、雑誌のヌード・ピンナップを眺めてそのモデルの出身地・専攻学科・趣味などのプロフィールを眺めている自分。 「青春」とは、何も若大将シリーズのような若者の楽しげな日々を指すのではなく、「未来がまったく白紙の状態」を呼ぶのだということを感じさせるセピア色の名曲です。 「オン・マイ・ウェイ・トゥ・ワーク」はこちら。 この曲を収録したアルバム「NEW」のリリースは2013年10月11日(独・豪)。英・日は14日、米は15日です。(曲の録音日は不明)。 さて最近、「The Croods」という映画(日本では劇場未公開で『クルードさんちのはじめての冒険』としてDVD化)を観ました。 そのエンディング・テーマ「Shine your way」の一節が、ポールの「On my way to work」の一節に似た香りを感じました。 歌い回しによってそれほど共通点を感じない箇所もありますが、0:25あたりにご注目ください。 wikipediaによるとこの映画は、2013年2月15日に第63回ベルリン国際映画祭でプレミア上映された後、同年3月22日にアメリカ合衆国で封切られたようです。 なんと偶然にも、続けて、同様のメロディラインをアメリカ制作のTV番組のテーマにも発見しました。 番組名は「The Thundermans」、曲名は「Livin' a Double Life」。 0:16あたりからです。 初オンエアは、奇しくも「NEW」の英国発売日と同じ2013年10月14日です。 2013年に異なる3曲で顔を出す、このメロディ・ライン。 創造の神様が天から降ろしたこのメロディーを、たまたま複数の作曲家の魂が同時にキャッチしたのでしょうか。 ジョージの「My sweet lord」がシフォンズの大ヒット曲「He's so fine」に酷似していると話題になり、実際裁判でも盗作と認定されたことがあります。 ビートルズのジョージがわざわざ盗作して名誉を損ねる必然はまったくないだけに、この出来事をとても不思議に感じました。そして私なりの結論は、「自分の血肉となっているメロディを既存楽曲だったかどうか意識せず、自分のインスピレーションのように思い込んでしまうことはあるものなのだ」というものでした。 (それにしてもレコーディングやミックスの段階で、ジョージの周囲のスタッフが『ジョージ、これと似たヒット曲を知ってるんだけど・・・」と進言できなかったものか、それについては不思議でなりません。) それゆえ、ジョンの「Come together」が、チャック・ベリーの「You can't catch me」の盗作だと訴えられ、示談として「ジョンがカヴァーして印税を発生させる」となり、アルバム「Rock'n roll」でジョンがカヴァーした「You can't catch me」を聴いてもやはり酷似しており、「自分で考えたと思い込んで似たフレーズを書いてしまう」ということはたまにあるのだと更に確信したものです。 もちろん今回のポールの場合はジョンやジョージほど大きな類似ではありませんが、今回のことが起きた理由を敢えて考えてみましょう。 まず、ポールが「On my way to work」を制作している過程において、いずれかの段階でのラフ・ミックスを部外者が耳にした。 そして、その部外者(または部外者の知り合い)がインスピレーションを受けて「On my way to work」と似た曲を書いた、という仮説。
考えてみれば、ビートルズ時代も含め、彼らのレコーディング中の新曲の1フレーズ、ギター・リフ一つだけでも(ビートルズが発表するより先に自作に取り入れられれば)大変な富を生みかねないわけです。 ビートルズ登場以降、ロックが巨大産業になっているにもかかわらず、他の業種と比べてそのあたりの情報管理に関しては現在もずいぶん大らかな業界といえるのではないでしょうか。 例: エンジニアその他レコーディング・スタッフ達が、次回のセッションまで自宅に持ち帰ったコピーの管理。 スタジオにいた者(業界関係者やその同行者)がこっそり録音機器を忍ばせていないかのチェック。etc. 第二の仮説は、「On my way to work」より先に世に出た「Shine your way」について。 ポールの影響を受けた作風・歌い回しの曲ゆえ、ポールの耳が「僕が好きなタイプの曲だ!」または「僕の影響を受けている曲だ!」と感じ、記憶の片隅に残っていたのではないかというものです。 この仮説の場合、「On my way to work」と同じ日に世に発表された「Livin' a Double Life」のほうはどう読み解くかという話になって、わからなくなってしまいます。 ただ、「2作品とも子供向き作品である」という事実は重要な気がしています。 ポールが愛娘ベアトリスちゃんと一緒にこれら2作品に接した可能性はゼロではない…そのあたりが何らかの鍵となる気がしています、 この件を指摘する人がいない理由は、「ポールのリスナー層」と「小さな子供を持っている層」が重ならないことではないでしょうか。 ここでもう一度、ポールの「On my way to work」を聴いてみてください。 圧倒的な出来映えです。 若き日の思い出を回想するしっとりした歌にもかかわらず、時折りドラムンベースでとてつもない音圧のいかづちが天から降りてくる造りは、ポールが「Maxwell's silver hammer」の銀のハンマーについて「あのハンマーは、人生で予想もしないことが突然起きることの象徴なんだ」発言まで想起してしまいます。 ちなみに、収録アルバム「NEW」が「Back to the Beatles」と形容されることについても書き添えます。 この形容を、私は「ビートルズの曲に似た曲がいろいろ収録されたアルバム」という意味でなく、「ビートルズがやりそうな、人を食ったアプローチに満ちたアルバム」という意味で捉えています。 アコースティックな感じで始まる「On my way to work」にいかづちが降りてくるのは、まさに「Back to the Beatles」を感じるモンドな(珍奇で一風変わったという意味)構成です。 そう、ビートルズは世界一メジャーなバンドでありながら、モンドな作風のバンドなのです。 それは「Let It Be」のシングルのB面曲が「You Know My Name」である事実からもわかるでしょう。 だから、以上の考察は決して「パクリ発見!」といった低俗な意図ではありません。 そもそもジョージやジョンの場合と違い、今回の場合は「類似」と言えるかどうかもわからない「一瞬の既視感」にすぎません。 だからこそ、この興味深い「同時多発状況」を、「酸いも甘いも噛み分ける熟練ファン」の貴方と、お茶を飲みながら話すような気分でこうして共有させていただく次第です。
by B4-univ
| 2014-12-26 19:09
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