単行本だ、連載だ、「ザ・セッションズ アムステルダム公演だ」でばたばたしております。
それでも「これは良書だ」と確信できるものは、発売日からあまり日が経たないうちに紹介したほうが良いので、取り急ぎご紹介させていただきます。
(レヴュー)
68年、71年、そしてジョンが死ぬ3日前のインタヴューなどなど、どれも「ローリング・ストーン」初出時よりも長い完全版で収録されているのがたまらない。
この本のために、新たに2012年に行なったヨーコのインタヴューは、68年に出会って以来、会食も含め、近い距離で関係を築いていった著者ならではの出来栄えとなっている。
著者がこの本でやりたかったことは「まったく個人的な観点から、もっとも刺激的な二人と知り合い、夢のように思い出深い時間をともに過ごすのがどんな感じなのか、読者に伝わるような本を書くこと」だったそうだ。
そして本書はそのように仕上がっている。
ここまで読んだ貴方は、これは読むべき本だと理解いただけたはずだ。
ちなみに版元は、なんと岩波書店。
ジョンとヨーコの本なのに、おなじみのゴッホの「種を蒔く人」のマークが付いている。
「ビートルズ日本公演に行った者は退学または停学」とした日本も、50年も経つとこうなるのだ。
あのとき、意味の分からない弾圧を受け、ビートルズとまともに触れさせてもらえなかった若者世代が「いつか私たちが世の中を動かすようになったら、絶対こんなバカな社会にしない」と心に誓ったそんな時代がこうして到来したことを思うと感慨深い。
表紙画像をクリックすれば詳細が見られます。

