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(書き下ろし)【「ザ・セッションズ」賞味法 超ショート・ヴァージョン】 ザ・セッションズ ワールド・プレミアを見て感じたことで重要なポイントは、これは「壁のハエ」になる体験をするショーであるということだ。
いや、そういう表現があるのだ。 私が初めてその表現を眼にしたのは、ビートルズが「レット・イット・ビー・ネイキッド」を出したときだ。 おまけとして付属しているCD(セッション中の会話や演奏をダイジェストで抜粋した音源集)のタイトルが「Fly on the wall」だったのだ。 これは何も「飛ぶ」という意味ではない。 「壁のハエになって、ビートルズの会話や演奏に聴き耳をたてる」という意味である。 よくこのCDの盤面を見てほしい。小さくハエの絵が描かれているはずだ。 以上のことは、「ネイキッド」発売直後に新宿で開催したトーク・ライヴ「ビートルズ大学」や、2006年の拙著「ビートルズ大学」の「ネイキッド賞味法」の項でも解説したとおりだが、この「ザ・セッションズ」ワールド・プレミアを観て久しぶりにその表現を思い出したというわけである。 「壁のハエ」になる体験を楽しむという意味では「ザ・セッションズ」ショーの中で私が特にわくわくしたのは、「愛こそはすべて」宇宙中継やマジカル・ミステリー・ツアーの「アイ・アム・ザ・ワーラス」ではない。 それらは既に何らかの映像で実際に残っているものの再現となってしまうからである。 なんといっても「初期のレコーディング・セッション」の様子をステージで再現するひとときこそが、自分としてはこのショーの白眉として楽しんだ。 アビー・ロードの第2スタジオを模したセットで、4人がどのような位置にいて、カウントと共にどう録音していたか。おどけたり私語を交わす様子も声やアクセントまでそっくりで、若々しく、かつ、生々しかった。 まさに、時間を超えて、2スタの「壁のハエ」体験ができた至福の瞬間であった。 声やアクセントといえば、調整室の中でエンジニアの横に立っていた長身のネクタイス姿の男性が在るとき突然ジョージ・マーティンそっくりの声とアクセントで、ビートルズのレコーディングについて語り始めたときの感動は忘れられない。さすが本場。人材の層の厚さが違う。そして、ジョージ・マーティン逝去前から、このショーはジョージ・マーティンに捧げられるべきショーとなることが決まっていたことを実感する。 「ジョージ・マーティン」を演じるその俳優は、ときにはステージの袖でピン・スポットを浴びながら進行役を務めたりするさまは、まるでディズニーの「ファンタジア」を見るようでわくわくする。 思うに、この形式を最後まで貫いて、各曲の作られ方を、丁寧な解説を一貫して行っていき、レコーディングの様子を再現して行く構成であればよかったのではなかろうか。 本物のジョージ・マーティン本人ではなく役者が演じていることの面白さは、声とアクセントが同じなのに、まるでエド・サリバンのような堂々とした立ち居振る舞いで語るその在り方にある。 時には舞台袖に立ち、ピンスポットをあてられて語り出す彼は、まるで「CGかホログラフィーで作り上げられたジョージ・マーティン」といった不思議な虚構感覚で、これも含め、実に「新しい形のビートルズ・ショーだ」と賞味した。 以上、「ザ・セッションズ」についての更なる御報告まで。 このショーについての賞味法は、本当はこの30倍ほど挙げることができます。 ところで、さっき気になる情報が近い筋から入って来た。 杞憂に終わればよいのだが。
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| 2016-04-12 21:00
| レヴュー
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